カウンセリングで一番大切なこと。

カウンセリングで一番大切なことは、カウンセラーがクライアントさんの話すこと、話さないことをそのまま受け止めることです。
良いから、悪いから、好感が持てるから、問題を持っているからではなく、今、目の前にいる、それだけをそのまま受け止めて共感するということです。
それが、何らかの問題や生き辛さを抱えて勇気を出してカウンセリングルームに来たクライアントさんに対してカウンセラーが行う最初のことです。

カウンセリングとは人間関係そのものでもあります。

お医者さんのように治療はしません、薬も出しません。
けれど、あなたが何を考えて何を思っているのか真剣に受け止めて、寄り添って理解していきます。
その中でクライアントさんは安心して詰まっていた思いを吐き出せます。
「学校に行きたくない」「お母さんが怖い」「上司の前に出ると震えがする。」
「セクハラするあの上司を殺してしまいたい」
自分の中にある思いをまず自分だけのものからカウンセラーが共感した、わかってくれる人がいるものとしていきます。

そのつらさや苦しさがあなただけではなく、2人のものになってきます。

カウンセリングとは自分の気持ちを理解すること

カウンセリングとは自分を理解することでもあります。

「どうして学校に行きたくないのか」
「男の人を見ると怒りが湧いてくるのはなぜなのか」
「子どもを好きになれないのはどうして」

違和感のある、自分でもよくわからない感情や心の動きを理解していくとそれは怖い、恐れる感情ではなく、自分の中ある
大切な、愛おしい感情であると理解することができます。

そのうえで、その気持ちとどう付き合っていくのか、カウンセラーとともに考えていきます。

カウンセリングとは社会の中で生きていくことを援助すること

人は人として生まれた以上、人と関わって生きていかねばなりません。
働いて、お金を稼いで、食べていくことそのものが生きていくことでもあります。
死が訪れる最後の最後まで生き抜くことは必然で、遺伝子に組み込まれています。

だから、そうできない苦しさはたとえようのないものがあります。
死んでしまいたい、生きているのがつらい。
かろうじて働いて生きてはいるけれど、何のために生きているのかわからない。

カウンセリングでは社会の中で生きていくことそのものを援助します。
つらい時、、悲しい時、うれしい時、その時のそのままを受け止めます。
生きていきやすいように具体的な援助をすることもあります。

「家族以上の家族だったペットが亡くなった、それなのに、毎日仕事に行って笑顔でいなければならない」
「不安で、つらくて、眠れなくて病院で薬をたくさんもらって、ほんとに飲んで良いのか、どこまで飲んで良いのか悩む。」
病気のつらさにプラスして、もう一つ不安のもとが出来る。

日々湧き起ってくる不安や迷いを共感し受容し、時には具体的なアドバイスをすることで、援助していきます。